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富士山

誰にでもわかりやすいサイトを目指して

敢えて一つにまとめる

『直翅類.jp』では、世に出回っている他の図鑑にはない掲載の仕方をしています。それが「spp.」です。例えば、コオロギ類のページで、「エンマコオロギ」の後ろに「spp.」と書かれているのに気付いたでしょうか。他の種類を見ると、書かれていないものも多くあります。この違いは何でしょうか?

まず、「sp.」「spp.」について簡単に説明します。「sp.」とは、speciesの略です。「Teleogryllus(エンマコオロギ属) sp.」のようにして使い、「エンマコオロギ属の一種」という意味になります。この表記を使う場面は主に2つです。1つは、「エンマコオロギ属というところまでは分かるけれど、そこから先の種までは分からないとき」。もう1つは、「新種として記載された論文が出ておらず、そもそも学名が付けられていない未記載種のとき」です。

では「spp.」とは何かというと、「sp.」の複数形です。つまり、「エンマコオロギ spp.」と書かれていたら、「エンマコオロギの仲間が複数紹介されている(or これから紹介されていく)ページ」だと思ってください。このように、種を分けずに敢えて「ssp.」としてまとめているのには理由があります。

並べられてもどこが違うのかわからない問題

先の例でエンマコオロギを挙げたので、このままエンマコオロギで話を進めましょう。日本国内にはエンマコオロギ属は4種類が知られています。差異はわずかにありますが、パッと見ほぼ一緒です。実際に写真で比較してみましょう。

エンマコオロギ
タイワンエンマコオロギ

エンマコオロギ

タイワンエンマコオロギ

いかがでしょうか?タイワンエンマの方が赤味が強く、顔の白い部分の面積が大きいなどの特徴がありますが、それ以外はほとんど違いがありません。エンマコオロギはこれでもまだ分かりやすい方で、種類によっては専門家でもお手上げなほど瓜二つなものもいます。このWebサイトは、直翅類をあまりよく知らない人にも利用してもらうことを想定して作成しています。むしろ利用者の大半は詳しくない方ではないでしょうか。ちょっと想像してみてください。コオロギ類のページを訪れると、どこが違うのか一目ではわからないほど似通ったものが、いくつも連続して並んでいるのです。これではどれを見て良いのかわからなくなりますよね。もし外で見つけた種類が何か知りたくて調べているのだとしたら、なかなか答えにたどり着けずに迷ってしまいます。だから敢えて一つにまとめて選択肢を減らすことで、知りたい情報に少ない時間でアクセスできるようにしているのです。

もしかすると、まとめ方に異議がある方もおられると思います。同じ属をすべて一つにしているわけではないですし、逆に複数の属をまとめている場合もあるので、分類の仕方や表記が不適当だというご指摘もあるでしょう。ですから、これは当サイトの独特な表現方法であり、一般的なものではないことを念頭にご覧ください。どのようなやり方が最も良いのかは今も模索していますが、当分は「形態が似ている種類」や「数が多く分類も難解な種類」は一つにまとめる方針で進めたいと考えています。

​本項では、誰にでもわかりやすく、使いやすいサイトづくりのための施策を、この下に続くかたちで不定期に公開していきます。また「こうして欲しい」などのご要望も受け付けておりますので、その場合には、TwitterまたはFacebookまでお願いします。

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