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Eusphingonotus japonicus
カワラバッタ
北海道・本州・四国・九州
6月下旬~11月下旬
カワラバッタは、大河川の中流域に広がる礫河原に生息する中型のバッタである。その体色は周囲の石の色や模様によく似ており、優れた擬態能力を持つ。しかし、飛び立つと、鮮やかなコバルトブルーの後翅が輝き、その美しい姿を見ることができる。この鮮やかな後翅の色がどのような役割を持つのかは、まだ解明されていない。観察していると、後脚を前翅にこすり合わせて音を出し、仲間とコミュニケーションをとる様子が見られる。オスはメスに求愛する際、鳥のさえずりに似た高い音を出す。カワラバッタが生息できる礫河原は、洪水などによる攪乱が定期的に起こらないと、植物に覆われてしまい、生息できなくなってしまう。近年、河川改修工事の進展や、キャンプ場・バーベキュー場などの開発による人為的な攪乱によって礫河原が消失し、カワラバッタの個体数は激減している。そのため、現在、28都府県で絶滅危惧種に指定されている。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
カワラバッタ初齢幼虫
5月頭くらいから孵化し始める。とても小さく色も石にそっくりなので、相当注意深く目を凝らさないと簡単に見失う。
カワラバッタ中齢幼虫
5月下旬頃になると、ある程度の大きさに成長し多少探しやすくなる。それでも擬態能力は高く、跳ねて逃げるまで気付かない。
カワラバッタ♂
6月下旬には成虫が出現する。よく晴れた日に活発に活動している。梅雨の終わりごろの大雨や台風による増水を回避し、川が落ち着く秋に繁殖を行う。
カワラバッタの後翅
とても美しい青い後翅をしていて、飛ぶと目立つ。擬態には不利と思いきや、地面に降り立つと消えたように見え、敵の目を欺くのに一役買っているようだ。
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