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Paratlanticus tsushimensis
ツシマフトギス
対馬
6月上旬~9月上旬






ツシマフトギスは、対馬に生息する大型のキリギリスの一種である。体色は褐色から黒褐色で、腹部には黄色や緑色の帯状の模様があるのが特徴だ。翅は短く、これまで長翅型の個体は確認されていない。下層植生が豊かな樹林の林縁部や、それに隣接する草原に生息し、林床や低木の上などで見られる。特に夜間は樹上への移動傾向が強い。食性は雑食性で、植物の葉や茎、そして他の昆虫などを捕食する。対馬ではかつてはごく普通に見られた昆虫であったが、近年、ツシマジカによる食害によって下層植生が消失し、土壌が露出した状態の樹林が増加している。このことが、ツシマフトギスの個体数減少の一因と考えられている。鳴き声は「ジリ…ジリ…」と小さく控えめなため、聞き逃してしまう可能性もある。また、生息地には鳴き声が類似するツシマコズエヤブキリも生息しており、鳴き声での両者の識別には注意が必要である。
成虫の姿

