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Tettigonia orientalis
ヤブキリ
北海道・本州・四国・九州・伊豆諸島
6月上旬~9月下旬
樹上に生息するキリギリス科の仲間。春先に孵化した幼虫がタンポポの花に乗っている様子がよく見られる。ある程度大きくなると藪や樹上に生活の拠点を移す。また食生活も変化し、植物食だったのが徐々に肉食傾向が強くなっていく。性格は非常に獰猛で、セミなどの大きな昆虫を捕らえて食べてしまうほか、共食いも起こる。食性は広く、植物から昆虫の死体まで割と何でも食べる。日中に活動していることもあるが、基本的には夜行性で、夜間の方が活発になる。実は複数種類いるとされているが、多くの場合、見た目での判別は不可能に近い。最近になって分子系統解析が進められているが、未だ結論は出ていない。研究の進展が待たれる。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
ヤブキリ若齢幼虫
春先の若い幼虫の頃には、花の上に鎮座している様子をよく見る。特にタンポポに多い。
ヤブキリ♂
ブッシュの中で鳴いていたオス。日中は目に付きにくい場所にいて、夜になると出てくることが多い。
ヤブキリ♀
一定以上大きくなったヤブキリは樹上生活になる。草丈の高い草地では残ることもある。
精包をつけたヤブキリ♀
オスと交尾をし精包を受け取ったメスは、少しずつ食べて産卵に必要な栄養を摂取していると考えられている。
近縁種
Tettigonia yama
ヤマヤブキリ
小型のヤブキリ。前翅の幅が広く丸みを帯びるのが特徴。平地から山地にかけて見られる。草原性の傾向が強く、ヤブキリとは棲み分けがされているようだ。年1化で、6月から10月にかけて成虫が発生するが、晩夏に入ると数がめっきり減る。「シリリ、シリリ」と短く区切って鳴く。
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