
美声
Vescelia pieli ryukyuensis
リュウキュウサワマツムシ





【分布】
南西諸島
【出現時期】
4月上旬~12月下旬
【出会いやすさ】
南西諸島の渓流沿いに生息するマツムシの一種。スズムシとマツムシの中間のような見た目をしている。鳴き声が非常に美しいことで知られ、生息地では濁りのない澄んだ音が響き渡る。オスはホソバリュウビンタイやクロヘゴなどのシダ植物の葉上や、裏側で鳴いていることが多い。サワガニなどの捕食者から逃げるためなのか、そこそこ素早く歩けるようだ。また飛べはしないものの、羽ばたいて滞空時間を稼ぐことができる。日中はどこかに隠れていて姿を見せないので、見つけるには明かりのない暗い森を進み、渓流近くまで行かなければならない。また、リュウキュウサワマツムシが生息している島にはもれなくハブの仲間が分布し、餌となるカエルがいる水辺付近は特に出没しやすいため、探索には危険が伴う。さらに岩場はコケが生えていてとても滑りやすい。もし足を踏み入れる場合は、安全に十分注意して欲しい。
【成虫の姿】
オス
メス
【生態写真】

リュウキュウサワマツムシ中齢幼虫
鳴かない上に小さいので、いるはずなのになかなか見つからない。暮らしぶりが成虫とは少し違うのかもしれない。

リュウキュウサワマツムシ♂
方向転換しながら鳴くため、居場所がつかみづらい。また音が大きく良く響くため、近くにいると思いきや意外に離れていたりする。

リュウキュウサワマツムシ♀
鳴かないため、ある程度まとまった数が見られるところでないと発見は難しい。

リュウキュウサワマツムシの交尾
前翅を立てたオスの上にメスが乗り精球を受け渡すのは、マツムシ科の鳴く虫で共通して見られる。