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Xenogryllus marmoratus
マツムシ
美声
本州・四国・九州・伊豆諸島・南西諸島
8月上旬~10月下旬
マツムシは、ススキやチガヤなど、丈の高い草が生える乾燥した草原に生息する昆虫である。河川敷や海岸線付近に多く見られるが、これはマツムシが生息可能な環境が、そうした場所にしか残っていないことを示している。特に関東地方では個体数が少なく、絶滅危惧種に指定されている地域もある。スズムシのように灯火に集まることは少なく、分布を拡大する能力も低いことから、開発による生息地の減少の影響を受けやすい。童謡「虫のこえ」では「チンチロリン」と表現されているが、実際のマツムシの鳴き声はテンポが速く、鋭い音色である。晩秋、気温が低くなってくると、「チンチロリン」に近い音色に変化する。生息環境にもよるが、日中に草原を歩いて探すよりも、夜間に鳴き声を頼りに探す方が、マツムシを発見する確実性が高い。
かつて、南西諸島に生息するマツムシは台湾亜種として分類され、「オキナワマツムシ」と呼ばれていた。しかし、最近の研究では、基亜種と台湾亜種は同一種であるとされている(Jaiswara et al. 2019)。本サイトでは、この最新の研究結果を踏まえ、マツムシの分布域に南西諸島を含めている。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
マツムシ中齢幼虫
草丈の高い草原の根際付近にいる。外見は成虫とほとんど変わらず、翅があるかないかくらいの違いしかない。
マツムシ♂
前翅を立てて鳴くオス。膝よりも低い位置で鳴いていることが多い。スズムシのように後翅は落とさない。
マツムシ♀
成虫メス。オスと違って鳴き声を頼りに探すことができないので、慣れないうちは見つけるのに苦戦する。
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