Traulia ishigakiensis iriomotensis
イリオモテモリバッタ
西表島
1年中
イリオモテモリバッタは、西表島固有のバッタであり、石垣島・宮古島のイシガキモリバッタ、与那国島のヨナグニモリバッタとは亜種関係にあるとされている。これらの近縁亜種とは異なり、イリオモテモリバッタは非常に美しく、派手な体色をしているため、西表島を訪れる人々にとって、ぜひ見てみたい生き物のひとつとなっている。西表島内では比較的広い範囲に生息しており、訪れた際には容易に観察できる可能性が高い。一年を通して成虫が見られるものの、個体数の増減はあるようで、時期によっては発見が難しい場合もある。イリオモテモリバッタには、後脚の脛節の色が赤い「スネアカ型」と、青い「スネアオ型」の2つのタイプが存在する。一般的にはスネアカ型が多く見られるが、スネアオ型は西表島のごく限られた地域にしか生息しておらず、発見するには相当な努力が必要となる。沖縄本島に次ぐ広大な西表島において、スネアオ型を探し出すのは容易ではないため、もし出会えたなら幸運と言えるだろう。
成虫の姿
オス
メス
生態写真
イリオモテモリバッタ若齢幼虫
若い幼虫は茶色い地味な色をしている。落葉の上にいることが多く、目立たない。
イリオモテモリバッタ中齢幼虫
大きくなるにつれて徐々に派手な色になってくる。この程度の成長段階でも後脚は色づき、スネアカ型かスネアオ型か判別できる。
イリオモテモリバッタ終齢幼虫
終齢幼虫では、成虫と同じ派手な色になっている。葉の上にいるものは目に付きやすいが、地表にいると意外と気付かない。
イリオモテモリバッタ♂(スネアカ型)
通常の個体は後脚の先が赤くなる。林縁や山地など、島内の広い範囲で見られる。
イリオモテモリバッタ♀(スネアオ型)
島の限られたエリアには、後脚の先まで青い個体がいる。恐らく突然変異によって生じたものと思われる。数は少なく、スネアオ型の分布域でもスネアカ型の方が多い。